なぜ「おひとりさま死」は在宅を選択肢に入れるべきなのか(1)

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そんな一人暮らしの高齢者は自宅でなく大勢の人が行き来する病院で亡くなった方が孤独でないように思われるかもしれない。しかし、必ずしもそうではないという。

「私たちのクリニックでは、年間200人以上を自宅でお看取りしており、約半数は一人暮らしの方々です。その方々は決して孤独な死にはなりません。なぜなら、在宅診療では『おひとりさま』のお看取りをチームみんなで支えて見守ってきて、ともに同じ時を過ごしたという思いが強いため、最期の瞬間が一人であったとしても、決して『孤独な死』という感覚ではありません。また、在宅の看取りで重要な点は、そこが患者の『ホーム』であることです」

 患者にとって、病院はどれだけ周りが親切でも「アウェー」には変わりがない。どこか遠慮が出てしまう。自宅ならば、わがままや医療・介護への不平不満も言いやすい。

2 / 5 ページ

関連記事