なぜ「おひとりさま死」は在宅を選択肢に入れるべきなのか(1)

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■重要なのは「医療」と「介護」の質

 ちなみに一人暮らしの人が自宅死を望まないのではないか、という人もいるがこれも間違いだ。65歳以上の単身世帯の持ち家率は66.2%で、自宅に愛着のある人も多い。

「おひとりさまが在宅で最後まで幸せに過ごすうえで重要なのは、医療と介護の質です。まず、医療の質で言えば、病院で入院加療することよりも在宅診療でしっかり診てもらうことは延命や緩和という視点から有利であると言えます。まともな在宅診療ならば、内科、外科、整形外科、精神科、緩和ケアのどの分野に対しても責任を持てる前提で開院しており、『専門外だから病院に行ってください』ということにはなりません」

 もちろん、がんの終末期における緩和ケア病棟なら、全身状態を総合的に管理しながらサポートをする。しかし、それ以外だと大きな病院であればあるほど、それぞれの専門に分化された病棟に入院することになる。

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