60歳からの健康術

性感染症編(7)フレイルとの関係 ドスンと座るようになったら要注意

筋力が落ちてくる(C)日刊ゲンダイ

 なぜ、HIV感染でフレイルになるのか?

「HIV感染症という慢性疾患により、細胞レベルが老化して慢性炎症が起きます。その結果、中枢神経系や自律神経系、免疫系、代謝系などの生理機能が低下し、それをカバーするための代償機構も働きにくい体内環境が作られます。こうした環境がサルコペニアや栄養状態の低下などを招き、筋力低下、体重減少、疲労感などのフレイル症状を起こすのではないか、と考えられています。慢性炎症を起こす疾患はHIV感染症だけではありません。長期間、人の体をむしばむ性感染症を含む感染症や、糖尿病などの生活習慣病などもフレイル発症の可能性があるのではないか、と考えられるのです」

 早期にフレイル症状を自覚したとすれば、慢性疾患を含めて一度かかりつけ医に相談するのもいいかもしれない。

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