60歳からの健康術

性感染症編(8)梅毒だと入所できる老人ホームが限られる可能性も

写真はイメージ

 たとえば介護施設や老人ホームなどの入居が難しくなる場合がある。

「病原体への抵抗力が弱った高齢者が集団で生活する老人ホームにとって、感染症は恐ろしい存在です。しかも、それがインフルエンザのような流行性のものでなく、入居希望者の体内に長く潜んでいるものであれば、すべての入居者の安全を担保するために受け入れや対応が慎重にならざるを得ないのは当然です」

 老人ホームでは一般的に入居契約前に血液検査やレントゲンの結果が記載された「健康診断書」や「診療情報提供書」が求められる。梅毒を含めた性感染症の有無も問われると考えた方がいい。

「梅毒の病原体である梅毒トレポネーマは極めて脆弱な微生物で単体では1~2時間以上は生存できないとされています。一度感染して薬で治療すれば発症するリスクは抑えられますが、体の中に抗体が残ります」

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