高齢者の正しいクスリとの付き合い方

糖尿病で使われるインスリンはなぜ注射でなければいけないのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 経口糖尿病薬には、膵臓にインスリンを作る力が残っていても出す力がないときに直接それを促すタイプ、インスリンの効きが悪くなっているときにそれを改善するタイプ、血液中のインスリンが分解されるのを防いでインスリンの効果を上げるタイプ、糖分の消化不良を起こすことで血液中に糖が吸収されにくくするタイプ、血液中の糖を尿と一緒に排出するタイプ、筋肉で糖を利用しやすくするタイプなど、実にさまざまなものがあります。2型になる原因は人それぞれなので、その人の糖尿病の特徴に合ったクスリが選択されます。複数種類の経口糖尿病薬が組み合わされるケースも多いです。

 インスリンは本来であれば膵臓から出てくるものなのですが、それが出なくなったときにはインスリンをクスリとして使用しなければなりません。インスリンには作用時間によって超短時間型、短時間型、長時間型、持効型、さらにそれらが混ざった混合型といった種類があります。これも経口糖尿病薬と同様に、その人の糖尿病の特徴に合った種類が選択されます。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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