「何か変…」が低血糖のサイン 対策が遅れれば認知機能低下のリスク

食事時間が遅れて低血糖になることも

 自律神経の症状が出始めた時点で、速やかに対策を講じることが肝心だ。最初の症状として冷や汗や脈が速くなるなどを挙げたが、実際は個人差がかなりある。

「どんな症状が出たか、というより、血糖値を確認できない状況で『何か変』だと感じたら、糖尿病の人はすぐにブドウ糖やジュース類など糖が含まれたものを補食してください。低血糖なら10分以内に症状が取れます。『何か変』は、もしかしたら低血糖が原因ではないかもしれない。また、補食で急に血糖が上がり体調が悪くなる人もいる。しかしいずれも、低血糖が進むより問題が小さい」

 たとえば低血糖で倒れて骨折を起こし入院となると、高齢者であれば認知症リスクが上がる。重篤な低血糖は命に関わるし、車の運転中に低血糖で昏睡状態になれば交通事故を引き起こす。

「低血糖は起こさないこと、さらに繰り返さないことも重要です。低血糖を繰り返しているうち、軽い低血糖では自覚症状を感じにくくなるからです。これを無自覚性低血糖といいます」

2 / 4 ページ

関連記事