名医が答える病気と体の悩み

認知症になりやすい血液型はあるのか? 世界中で研究が進む

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 こうした研究結果によると、血液中にある血液を固まらせるタンパク質(血液凝固第Ⅷ因子)の濃度が高いほど認知機能の障害が生じるリスクが上がることが分かっています。AB型はほかの血液型の人より、凝固によるタンパク質の濃度が高かったのです。

 この見解には一理あると考えています。なぜなら人間は加齢とともに血管が詰まりやすくなり、認知症を発症する原因でもある脳卒中や心臓病などの病気を発症しますから、血管が詰まりやすい血液型の人がよりリスクが高いのは当然と言えるでしょう。

 心臓病のリスクについては、11年に米ハーバード公衆衛生大学院が発表した約9万人を対象にした調査で最も低いO型に比べて、AB型が1.23倍高いと報告しています。さらに心臓病と認知症の関係も米国心臓学会の「心臓病・脳卒中統計」(22年版)で、高血圧といった心臓病のリスクを高める生活習慣が「脳卒中やアルツハイマー病といった認知症の発症リスクを高める」とまとめています。

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