60歳からの健康術

性感染症編(12)「梅毒」発覚した144人の病期はいつが多いのか

20代の女性に多い(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 早期顕症Ⅰ期とは病原体である梅毒トレポネーマ感染約3週間後に、初期硬結、硬性下疳(潰瘍)が形成される段階。無痛性の所属リンパ節腫脹を伴うことがあり、無治療でも数週間で軽快する。

 早期顕症Ⅱ期は第Ⅰ期梅毒の症状がいったん消失した後4~10週間の潜伏期を経て、手掌・足底を含む全身に多彩な皮疹、粘膜疹、扁平コンジローマ、梅毒性脱毛などが出現した状態を言う。発熱や倦怠感などの全身症状に、泌尿器系、中枢神経系、筋骨格系の多彩な症状を呈することがある。

「ただし、第Ⅰ期梅毒と同じように、数週間から数カ月もすれば無治療でも症状は軽快します」

 早期顕症Ⅰ期とⅡ期の間の症状喪失状態と、Ⅱ期の症状消失後の状態が潜伏梅毒といわれる。今回、新たに見つかった無症候の27人とはこの段階だとみられる。

 晩期顕症梅毒は、無治療の3分の1に現れる症状で、数年~数十年経過した後に、長い非特異的肉芽腫様病変(ゴム腫)、進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺、脊髄癆などに代表される神経梅毒に進展するものを言う。

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