健康の「素朴な疑問」

生活習慣病は胎児期に決まるって本当? 疫学研究での報告も

「小さく生んで大きく育てる」が最近の傾向(写真はイメージ)

 日本では若い女性にスマートな体形に憧れるやせ願望が強く、妊婦になっても食事の摂取量が少ない傾向があるうえに、ご飯を中心としたバランスの良い和食が敬遠されていることなどから、そのリスクが高くなっているとの見方があります。実際、国民健康・栄養調査によると20代女性の1日のエネルギー摂取量は1970年代から減少傾向にあり、1995年に1886キロカロリーだったのが2018年では1600キロカロリーまで低下しています。その後、さまざまな疫学研究がなされていますが、妊娠初期の炭水化物摂取量が少ないと、生まれてくる子供の体脂肪が増加する傾向にあるとの報告があります。これは小児肥満リスクを意味し、大人の生活習慣病への移行リスクが高いと考えられています。

(弘邦医院・林雅之院長)

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