老親・家族 在宅での看取り方

自宅にいきなり介護用ベッドは違和感あり まずは心の環境調整から

写真はイメージ

 90歳の心不全、心筋梗塞を患う女性患者さん。実は数カ月前にも在宅医療を検討され、ご相談をいただいていたのですが、その時は体調も良く、通院しながら投薬により調整することに落ち着きました。

 ですがここにきて、かかりつけ医師の勧めで在宅医療を導入することになりました。従来通り外来受診は継続するものの、緊急時の連絡先の確保の目的もあり、また今は元気でも年齢的に、いつ何があるかわからないことから、私たちの診療所へ連絡があったのです。

「こんにちは、医師の○○と申します。体調どうですか?」(私)

「はい、まあまあです!」(患者)

「ベッドは普通のベッドで、手すりは手作りです。入院先の先生にはいきなり歩かせることは相当な問題だって言われたんですよね。びっくりしちゃって」(息子)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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