健康長寿のカギは腎臓にあり

自覚症状が現れた時には腎臓の点数は100点満点中30点以下

だるさは軽度の場合は現れないことが多い

 ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促進し、骨のカルシウムを正常に保つ働きがあるので、すなわち、ビタミンD不足はカルシウム不足につながり、骨がもろくなる骨粗しょう症になる恐れも。

 では自覚症状にはどんなものがあるのか。個人差がありますが、むくみや疲れやすさやだるさ、尿量が減る、頻尿、尿の泡立ち(腎臓から異常にタンパクが漏れる病気になると認められる症状)、貧血などの症状が現れる人が多い。

 ただ、だるさは、腎機能低下が軽度の場合はあまり起きません。それから、便秘を訴える人もいます。

 腎機能の低下に伴い、善玉の腸内細菌の減少や腸管血流の障害が起きて便秘症状が出ることがあります。

 よく患者さんから「痛みは出ますか?」と聞かれますが、腎機能が低下しても痛みが出ることは少ないです。ただ、腎臓の感染症である腎盂(じんう)腎炎や尿管結石では痛みが生じることも。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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