たとえば、あなたが車を運転しているとき、前の車が不審な動きをしたら、どうでしょう? きっとあなたは「イヤだなぁ」と不安に感じると思います。そして、車間距離を空けたり、違うルートを選んだりして、“もしも”に備えるでしょう。実際、不安が強い人ほど交通事故の死亡率が下がるというデータもあるほどです。
あるいは、コロナに対して不安があるからこそ、私たちは「備えあれば憂いなし」ではないですが、自分で可能な限り対策を講じたり、感染予防に努めようとします。正しく怖がるからこそ、正しい知識や情報を取り入れようと考えるわけです。このように、不安は人間にとって欠かせない本能であり、危機を察知するレーダーのような役割を持っているのです。
ハーバード・ビジネス・スクールのブルックスの研究(2013年)では、「脳はリラックス状態以上に興奮状態にあるほうが、ポジティブな状態だ」と主張しています。ブルックスは、不安な状態からリラックスした状態に落ち着かせるよりも、不安な状態から興奮状態に移行したほうがパフォーマンスが上がることを実証しています。
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