「そのため、見つかった時はすでに手術ができない進行がん、というケースが多いのです」
手術ができる状態で見つかったとしても、手術の難易度が非常に高い。
「たとえば胆道がんの一つ、肝門部胆管がんでは、肝臓も一緒に切除します。肝臓切除には限界があり、残る肝臓が少ないほど死亡率が高くなります」
米国のデータでは、切除によって肝臓が30%しか残らない人の術後90日の死亡率は25~33.3%。これに対し50%以上残っている人は6.5~9.5%だった。
「また、胆道のドレナージチューブ(細い胆汁の排出用の管)が、残った肝臓にきちんと入っているか。これがうまくいっていないと19%の人が亡くなり、きちんと入っていると死亡率が2分の1に下がることが報告されています。内視鏡医のドレナージチューブの技術も重要になります」