日本人に多い「胆道がん」 γ-GTPやALPが高ければ超音波検査を

肝機能の数値が発見のカギになるかも

 手術が成功しても、その段階では画像検査には映らない微小転移のリスクがあり、それがあると、数カ月、数年後には「再発」となる。

 そして、これほど治療の難易度が高い胆道がんだが、専門医が少なく、病院間での治療成績の差がかなりある。

 最近、遠藤医師のところへ紹介されて来た胆道がんの患者は、狭くなった胆管を広げ胆汁の流れを良くするために、金属製のドレナージチューブが奥まで入れられていた。

「金属製のステントは胆管を広げて胆汁を詰まりにくくする利点がありますが、ガッチリ奥まで入ると、腫瘍とともに切除するのが難しい。この患者さんは金属部分を摘出しなければならず、そうすると残せる肝臓が小さくなってしまい、死亡率が高まる。もともとは切除できる胆道がんだったはずですが、それができない結果になりました」

 胆道がんの確定診断では、胆汁の細胞診が用いられるが、これで診断できる率は40~60%。

3 / 4 ページ

関連記事