検査をすると、多数のポリープとともに、いかにも“人相”の悪い大きめの腫瘍がS状結腸に見つかりました。11月にはそれを腹腔鏡手術で切除し、1週間ほどで退院。その段階では肺や肝臓への転移はなく、唯一、転移の疑いがあった1個のリンパ節も一緒に切除でき、すぐに仕事に戻りました。
さて、問題はそこからです。術後、病理検査の結果、切除した疑惑のリンパ節にやはり転移があり「ステージ3の大腸がん」だったと判明し、再発予防のために経口抗がん剤を服用することになりました。2週間服用し、1週間休薬するという1クールを全8回、約半年間の治療です。
ところが2クール目から副作用で食欲が落ち、慢性的な嘔気が続き、下痢も日常的になりました。同時に手足の皮膚が黒ずみ、手のひらの筋の部分や指関節がひび割れ、やがて出血するようになりました。足裏も手のひら同様にひび割れ、歩くたびに痛みました。それでも365日、24時間体制で訪問診療を続けていたのです。
独白 愉快な“病人”たち