ただ、このままでは私的で怪しげながん療法で終わってしまうと思い、エビデンスがつくれるよう奔走しました。そしてこのたび、聖ヨハネ会桜町病院の生命倫理委員会の承認後に、日本財団からの助成も決まり、1年間の臨床試験が始まりました。2022年12月から参加者を募集しています。条件は「大腸がんステージ4の人」などかなり限定されますが、いつの日か幅広く使える保険医療になることを目指しています。 (聞き手=松永詠美子)
▽山崎章郎(やまざき・ふみお) 1947年、福島県生まれ。消化器外科医を経て、91年に聖ヨハネ会桜町病院ホスピス科部長となる。2005年に在宅診療専門「ケアタウン小平クリニック」を開設し、多くの終末期患者を看取ってきた。現在は同医院の名誉院長。近著に「ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み」がある。「がん共存療法」臨床試験参加に関する情報は聖ヨハネ会桜町病院HP(http://www.seiyohanekai.or.jp/sakuramachi-hp/)から「お知らせ」を参照のこと。
独白 愉快な“病人”たち