「水虫喘息」は冬場でも気が抜けない 高齢者の介護現場での症例も

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 激しい咳(せき)が出て、ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸や息苦しくなる発作が起きる喘息(ぜんそく)。子供の病気だと思われがちだが、大人になって発症する場合もある。喘息は呼吸をする気道に起こる病気で、主にアレルギー反応によって気管支の筋肉が収縮または閉塞することで起こる。一度発症するとアレルギーを引き起こす物質に接することで重症化することがある。中には、自身では思いもよらぬことが引き金になるケースがあるという。「弘邦医院」(東京・江戸川区)の林雅之院長に聞いた。

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「最近は犬や猫を室内で飼う人が増え、ペットが落とした毛などが原因で喘息症状を起こす人がいますが、注意したいのは『水虫』です。水虫というと夏場の病気のイメージがありますが、いまは冬場でも水虫に悩む人が増えています。水虫の原因となる白癬菌は高温多湿を好む性質がありますが、近年では暖房の関係で冬でも室内が高温多湿になりやすいからです。しかも、冬場は厚手のソックスやブーツなどを長時間使用する人も多いことから足が蒸れて白癬菌が増えやすいのです。そして白癬菌に侵された皮膚の断片が床に落ちたあと、何かの拍子で舞い上がるなどして、白癬菌を吸い込むことでアレルギー反応が起きて喘息が重症化することが報告されているのです」

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