時間栄養学と旬の食材

【羊肉】脂肪燃焼や血流を活発にするカルニチンが豊富

冷え防止やダイエットにおすすめ

 羊肉は年齢によって呼び名も変わります。生後2週間~3カ月程度の離乳前の子羊をミルクラム、生後6カ月程度の子羊をベビーラム、生後1年未満の永久歯が生え揃っていない羊肉をラム、生後2年未満で下あごに2本永久歯が生えている羊肉をホゲット、生後2年以上の永久歯が8本生え揃った羊肉をマトンと呼び、日本で食べられるものの多くがラム肉です。

 そんな羊肉ですが、じつは非常に低エネルギーです。牛肉100グラムあたり259キロカロリー、鶏肉は204キロカロリーなのに比べて、ラム肉は198キロカロリーなのです。また、エネルギーを作り出すために必要なビタミンB群、動脈硬化や高血圧、血栓予防、悪玉コレステロールを減らすのに役立つ不飽和脂肪酸もかなり豊富に含まれています。

 そして注目したいのが、脂肪燃焼や血流を活発にして手足の冷え予防に役立つL-カルニチン。L-カルニチンを被験者に投与した研究でも、被験者の体重を有意に減少させたり、運動の60分前にL-カルニチンを摂取して持久力をアップさせた報告があることからも、ダイエット中の方にもおすすめです。ラムよりもマトンのほうに多く含まれるので、独特の風味がお好きな方ならマトンを選ぶのもよいでしょう。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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