東洋医学を正しく知って不調改善

災害時における東洋医学の強み マッサージ施術が効果を発揮

北海道で震度7の地震。避難所で過ごす人たち(2018年)/(C)共同通信社

 内閣府によれば、1995年の阪神・淡路大震災では約31万人、2011年の東日本大震災では岩手、宮城、福島の3県で約41万人、全国合計では約47万人が避難所生活を余儀なくされたといいます。

 各避難所の閉鎖までの期間は、阪神・淡路大震災で平均6カ月、東日本大震災は岩手県で7カ月、宮城県で9カ月。原発事故に見舞われた福島県双葉町住民の埼玉県の避難先は、閉鎖まで2年9カ月要しています。

 長期間にわたる避難所生活では、言うまでもなく、体調を崩しやすい。加えて、ライフラインが復旧するまでは医療機器の使用が従来通りにはいきませんから、診療すら困難になります。

 しかしその一方で、医師の五感で症状を把握し、治療方針を決定できる東洋医学では、極めて有効に対処することができたといえます。

 中でも効果を発揮したのが、被災直後における課題のひとつ、感冒や下痢などの感染症、そして低体温症の対処でした。

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中村幹佑

中村幹佑

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。

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