医者も知らない医学の新常識

高血圧はカテーテル治療で治す 降圧剤は一時的に下げるもの

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 高血圧は、心臓病や脳卒中など多くの病気の原因になります。塩分を多く取っていたり、肥満があると血圧は上昇するので、高血圧ではまず生活習慣の改善が必要とされ、それでも高い血圧が持続する場合には、降圧剤と呼ばれる薬を飲むことになります。

 降圧剤は高血圧を治す薬ではなく、一時的に下げる薬なので、その治療は長期間継続する必要があります。今使用されている降圧剤は副作用が少なくいい薬ですが、それでも飲み続けることが患者さんにとって負担になることは確かです。また、降圧剤があまり効かない治療抵抗性の高血圧の患者さんもいます。それでは、高血圧を治すような、薬に代わる治療はないのでしょうか? 

「超音波腎デナベーション」という治療が開発され、今注目されています。これは特殊なカテーテルを血管に挿入して、腎臓を栄養する血管の周辺にある交感神経を超音波によって焼灼する、という外科的治療です。交感神経は血圧調節に重要な働きをしていて、その部分を焼灼することにより血圧は持続的に低下するのです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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