科学が証明!ストレス解消法

「暗記」はシチュエーションと結びつけて行うと効率がいい

何かと紐づけることで記憶を強化

 実験を行ったリーバーによれば、「においもまた記憶の定着のきっかけとなる」と話しています。もしローズマリーの隣で、スペイン語の単語を覚えるとしましょう。その場合、ローズマリーの香りを感知すると、同時に覚えたスペイン語の単語も浮かびやすくなるというのです。このように、何かと紐づけることで記憶を強化しやすくなるテクニックがあるんですね。

 私自身、英単語を覚える際は、状況と言葉を結びつけて覚えていました。

 たとえば、家から駅に向かうまでに目にするものに英単語を重ねていく。それにより脳が活性化する導火線が、単線から、複線になる。単語帳で文字と文字を結び付けて思い出すより、状況からも思い出せるように別動線をつくっておく──こういった暗記術は、先に紹介した「におい」と同じ構造です。

 皆さんも、名前は思い出せないものの、人物の印象だけは思い出せるといった経験があるはずです。それこそ“ヒゲ眼鏡(さん)”とか“ぽっちゃり花柄(さん)”とか勝手にその人をラベリングすると覚えやすくなる。

2 / 4 ページ

堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

関連記事