老親・家族 在宅での看取り方

薬でかえってツラくなっていないか? 見直しでQOLが向上する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「痛みが減るのはうれしいですね」(患者)

 患者さんとの問診の時間を十分に取ることができるのは在宅医療ならでは。薬についても、言葉を尽くして説明できます。患者さんの本音を引き出し、最善の道を探りながら薬の量や種類を決めていく。患者さん、ご家族、医療チームが一丸となって治療に取り組むため、薬の正しい知識は、患者さんはもちろん、ご家族にも持ってもらうようにしています。

「気になることありますか?」(私)

「まだなにがなんだかって感じですね」(患者)

「そうですよね(聴診)」(私)

「ちょっと大きく息を吸うとせき込んじゃうんです」(患者)

「ジクトルテープの影響かもしれないのでお薬調節していきましょう」(私)

「お願いします」(患者)

 鎮痛のために肌に貼って使用するジクトルテープですが、喘息患者さんには禁忌。別の薬で痛みを鎮静させるため、患者さんに合わせた処方を探ります。患者さんが療養の主役であり、私たち医療スタッフは共演者。役割が明確に分担されているのが在宅医療なのです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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