糖尿病患者の「足」はどうなっているのか? 15%に異変あり

すでに足の老化は始まっている

「年を取るにつれて足の皮膚は乾燥し、脂肪は薄く硬くなり、弾力が失われます。足首などの関節可動域が狭くなることも加わり、結果として歩く時の足の裏や膝などへの衝撃を弱められなくなるのです。糖尿病の人はただでさえ、過体重により足底にかかる圧力が高い。しかもインスリン抵抗性によって、筋合成より筋分解が上回り、炎症性サイトカインが筋力を低下させています。更に足底のアーチを形成して衝撃や体重の負荷を軽減させるなどの働きを持つ足の内在筋を萎縮させることもわかっています」

 また糖尿病の人で血流障害を合併していると、酸素や栄養が十分に足全体に行き渡らず、創傷(潰瘍、壊疽)が起きやすい。しかも、糖尿病神経障害により、シャルコー関節(神経障害性関節症:明らかな重度の外傷がなく、関節破壊や病的骨折を生じる疾患)で、足を骨折しても、神経障害により痛みの自覚がなく異変に気がつきにくいこともある。

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