痛風かと思ったら…足の親指の強い痛みは「強剛母趾」かもしれない

写真はイメージ

 痛みが強く、歩行が難しい場合には手術が行われている。

「強剛母趾の標準手術は関節固定術が一般的で、これは母趾が反らないようMTP関節をネジなどで固定する方法です。痛みはなくなりますが、関節をがっちりと固定しているので手術後は十分な踏み返し動作ができないデメリットがある。そこで当院では、強剛母趾になった関節を再利用して関節を作り変える『関節温存形成術』を行っています」

 関節温存形成術では親指の側面を5センチほど切開し、上部に飛び出た骨の部分を特殊な医療用ノコギリで2分割に切る「骨切り」を行う。切った骨を本来あるべき位置に収めてインプラントで固定し、関節の噛み合わせを正す。関節温存形成術を行っている病院はあまり多くないため、ホームページなどで事前に調べておくとよいだろう。

「関節温存形成術を受けた60代の患者さんは、手術の翌日から歩行訓練のリハビリを始め翌々日には自分の足で歩いて退院されました。手術2週間後に傷口の抜糸をし、炎症を抑えるステロイド注射を受けたのち、手術から1カ月半後には足の痛みは完全になくなり今では問題なく歩かれています」

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