「父親は78歳。糖尿病で、30年近く薬を飲んでいます。母親が生きていたときは血糖コントロールが良かったんですが、半年前に母親が亡くなって以来、レトルト食品やスーパーの総菜が増えて、血糖コントロールも悪くなってしまいました」
ため息をつくのは、神奈川県在住の40代女性。彼女が心配しているのは、糖尿病の進行が招く3大合併症もさることながら、認知症のリスクが高くなること。
なお、糖尿病の3大合併症とは、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症を指します。神経障害では、悪化すれば手足が壊死し、切断に至ることがありますし、腎症では人工透析に、網膜症では失明に至る恐れがあります。最近では糖尿病の合併症はこれら3つの病気に限らず多岐にわたることが明らかになっており、認知症も合併症のひとつに入っています。
さて、40代の女性は、お父さんに「せっかく血糖値がいい値だったのに、そんな生活じゃ、悪くなるじゃない!」と何度となく言っているそう。そのたび、お父さんからは「年だから。もう俺は仕方ないんだ」と返ってくるのみ。
第一人者が教える 認知症のすべて