思い当たる節が多々あった。30代の初め、会社を起こしてから仕事をひとりで切り盛りし、多忙時は徹夜状態。疲れたらソファでごろ寝し、食事も早い安い、の立ち食いそば三昧。酒は仕事関係者と毎晩浴びるように飲み、泥酔した。
「たばこは20歳から毎日で、多い時は1箱20本入りの3箱が空になった。院長は私の喫煙を知っていたけど、黙認していました」(早川さん)
その理由はしごく単純で、じつは院長も愛煙家だった。以前、「ニコチンの少ない1ミリを吸っている」と吐露していた手前、愛煙家の早川さんに禁煙を無理に勧めなかったようだ。
年に1、2回、市が推奨する同病院で「特定健康診査」を受診してきた。そのたびに血液検査と血圧を測定し、結果は「血圧が高い!」だった。高血圧症の対策として、週に何度か水泳も試みた。だが、長続きしなかった。
「暴飲暴食や喫煙は相変わらずでした。それでも血圧の上(収縮期血圧)が160の数値を示したことはなかったのです」(早川さん)(つづく)
患者に聞け