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「変形性膝関節症」でPRP療法が効くケースと効かないケース

写真はイメージ(C)iStock

 PRP(多血小板血漿=たけっしょうばんけっしょう)療法は、患者さんの血液を利用した再生医療。PRPは、血小板を高濃度に凝縮・活性化させたものになります。

 血小板の中には組織の修復を促進する成長因子が含まれているので、PRPを患者さんの患部に注射すると、PRPの成長因子が働き、早期治癒や疼痛(とうつう)の軽減といった効果をもたらすのです。PRP療法がよく行われているものとしては、変形性膝関節症やスポーツ外傷・障害があります。

「自分も(あるいは、ご家族が)受けてみたいな」と思った方もいるかもしれません。その際、念頭に置いていただきたいのは、「PRP療法が自費診療だ」ということです。

 厚生労働省が保険診療として認可するには、エビデンス(証拠、結果)が集積されなければなりません。しかし、PRP療法はエビデンスが不足しているのが現状。特に日本ではエビデンスが足りないと言っても過言ではありません。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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