イムノクロマト法の登場で今後、爪白癬の診断は次の流れで行われる。KOH直接鏡検法が可能な施設では、最初にKOH直接鏡検法。陽性なら爪白癬の治療。爪白癬を疑うものの鏡検が陰性で、判断に迷う場合はイムノクロマト法で検査をし、陰性ならほかの疾患として精査を進める。
顕微鏡がなかったり、鏡検できる医師がいないなどの理由でKOH直接鏡検法が不可能な施設では、最初からイムノクロマト法を行う。
爪白癬の経口薬は3種類。2018年に発売された最も新しい経口薬は3カ月間の服用で、軽症の人なら2~3週間できれいな爪が出てくる。年単位で使用が必要な塗り薬と比べると、段違いで効果が高いといえる。
爪白癬は、薬なしには治らない。せっかく簡便で感度が高い新検査が登場したのだ。爪の変色、濁り、形のいびつさ……など何らかの異変がある人は、皮膚科医を受診し、爪白癬の有無を調べよう。そして、もし爪白癬なら早速治療を始めようではないか。