前立腺肥大症の手術は尿道から内視鏡を挿入し、前立腺を電気メスで削る「TURP(経尿道的前立腺切除術)」や、レーザーでくりぬく「HоLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術)」がメジャーだ。ただ、どちらも全身麻酔や脊椎麻酔下で行う必要があり、手術時間や入院期間が長く体への負担が大きいデメリットがある。とりわけ高齢者の場合、持病のために全身麻酔の手術に耐えられない、認知機能の低下で術後せん妄のリスクが高いなど手術が難しいと判断されるケースも少なくないという。
そこで注目されているのが冒頭で触れた「WAVE治療」だ。低侵襲で、従来法が適応されなかった人でも受けられる。
「WAVE治療は尿道から機器を挿入し、先端部分から放出される103度の水蒸気の対流熱で一定範囲の前立腺組織を均等に加熱して壊死させ、尿道を広げる方法です。静脈麻酔で行え、早ければ3分程度で終わるので希望があれば外来で行うこともできます」