前立腺肥大症の最新手術「WAVE治療」は負担が小さく合併症も少ない

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 手術後はカテーテルを尿道に入れたまま帰宅し、1週間後の外来で抜去する。壊死した組織は1~3カ月かけて体内に自然吸収され、効果は自然吸収が進む約1カ月後以降に表れる。

「WAVE治療は即効性がないので、良くならないのではと不安がる患者さんが一定数います。しかし、約1カ月経つと急激に排尿障害の症状が改善したと驚かれる方が多い」

 前立腺肥大症は、国際前立腺症状スコア(IPSS)やQOLスコアの点数といった自覚症状の問診票を基に重症度を判断し、尿の勢いは最大尿流率(Qmax)の値から他覚的に評価される。手術前後の自他覚症状を比較したところ、症状はかなり改善されたという。

「WAVE治療を受けた48人の治療効果を集計したところ、平均値で治療前のIPSSは21.5点(重症)だったのに対し、術後3カ月では7.8点(軽症)、QOLスコアは4.8点(重症)から1.6点(軽症)に、最大尿流率は7.4(ミリリットル/秒)から11.4に改善していた。QOLスコアの改善からも、患者さんの満足度が高いことがうかがえます」

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