男性医師と女性医師では診療行為に若干の違いを認めることが知られています。たとえば女性医師は、男性医師と比べて標準的な指針である診療ガイドラインに沿った治療を行う頻度が高く、患者を中心としたコミュニケーションを積極的に行う傾向が報告されています。
一方で、外科的な治療における医師の性別と治療成績の関連性については質の高い研究データが限られていました。そんな中、男性の外科医と女性の外科医で手術の結果に違いを認めるかどうかを検討した研究論文が、米国医師会が発行している外科の専門誌に2023年8月30日付で掲載されました。
スウェーデンで行われたこの研究では、胆のう炎などで胆のうの摘出手術を受けた15万509人が解析対象となりました。このうち3万7847人が女性外科医の手術を受け、11万2662人が男性外科医の手術を受けました。なお、胆のうとは食べ物の消化を助ける胆汁酸という物質を貯蔵する臓器です。炎症を起こすと胆のう炎を発症し、重症の場合には手術によって胆のうを摘出します。
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