若い頃のように熟睡できない…悩む高齢者は自身の「眠りの状態」をしっかり把握する

写真はイメージ(C)PIXTA

「ただ、入院が必要なうえ費用が3割負担で2万~5万円ほどかかるので、まずは簡易型PSG検査を受けてみるのもいいでしょう。レンタル装置を使って自宅で行う検査で、就寝時に手首、指、胸にセンサーを装着するだけです。一部メーカーの装置は、レム睡眠とノンレム睡眠の割合など睡眠のリズム、睡眠の深さ、睡眠中の体の向きも調べることができます。SASなどが疑われる場合は保険適用となるので、費用は3割負担で3000円程度です」

 自身の睡眠の状態が客観的なデータではっきり示されるため、実際は眠れているのに満足感がない人も、検査結果を目にしただけで納得できるケースは多いという。

「もしも検査でSASなどの睡眠障害がわかれば、治療を開始すれば睡眠の質は改善が望めます。さらに、はっきりした検査結果が出ることで、実際は必要のない睡眠薬が処方されるケースを避けることができる。現状では、本人の『眠れない』という訴えだけで、安易に睡眠薬を処方する医療機関が少なくない。それにより、副作用で転倒や骨折、交通事故を起こしたり、集中力や注意力の低下、健忘、依存などのトラブルが生じる危険があるのです。検査で睡眠の状態が把握できれば、そうした無用なリスクの回避につながります」

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