細胞内の水は、体が脱水に陥った際の予備タンクのような役割も持っています。脱水とは体から水分が失われた状態を意味しますが、ある程度までは細胞内から水分が供給されるためあまり大きな問題になりません。ところが、高齢者は細胞内=予備タンク内の水分量が減っているため、すぐに水分が供給できなくなってしまい、容易に脱水が重篤化します。つまり、熱中症になりやすいということです。
ですので、高齢者は喉が渇いていなくても、こまめに水分を補給して念入りに脱水を予防しなければなりません。ただ、水分をとることで特に夜間、トイレに起きる頻度が高まることから、高齢者は夕方から夜にかけて水分を取りたがらない傾向があります。しかし、人間は寝ているときにもたくさんの水分を失っているため、やはり水分はしっかり摂取する必要があるのです。ポイントは1回にたくさんの水分を摂取するのではなく、少量をこまめに摂取することです。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方