ワキガは、日本人ではおよそ10人に1人の割合で発症するのですが、自身がワキガとはなかなか気づきにくいものです。ワキガの方は、耳あかが湿っているという特徴があります。外耳道にはエクリン腺が存在しないので、耳あかに湿り気があるのは、アポクリン腺から分泌された汗による可能性が高いと考えられます。
またワキガの場合、下着やTシャツなど脇に触れる衣類に色がつくという特徴も見られます。ワキガでない人の脇汗の色は透明です。アポクリン汗は、タンパク質、脂質、糖質などといったさまざまな物質を含み、これが脇に触れる衣類に黄ばみを残すのです。
軽度の場合は、汗を小まめに拭き取ったり、市販の制汗剤などを使用したりすることで症状を抑えることができます。また、入浴時に脇の下を丁寧に洗ったり、脇の下を剃毛したりするなど清潔な状態をキープするよう心がけることも効果的です。さらに、肉や高脂肪な食品を必要以上に摂取すると、皮下脂肪がつきやすくなり、その脂肪がアポクリン腺および皮脂腺の活動を促すので、食生活の改善も大切です。生活指導を行っても症状が改善しない場合には、アポクリン腺からの汗の分泌を抑える塩化アルミニウムローションや抗菌薬入りの軟膏などが使用されます。このほか、アポクリン腺の働きを低下させるためにボツリヌス毒素を脇の下に直接注射する治療を行う医療機関もあるようです。
薬物療法が効かない重度なワキガに対しては、アポクリン腺を切除する手術や特殊な機械でアポクリン腺を破壊するような治療が行われるケースもあります。
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