「急激なデジタル化に伴い、パソコンやスマートフォンを眺める時間が増えています。そうすると、まばたきの回数が減少し、目の乾燥を引き起こします。ドライアイの患者は年々増加し、その数は国内に2000万人を超えるといわれています」
■診療や治療が分かれているのが現状
なかでも花粉症の原因のうち約7割を占めるスギ花粉とドライアイは、どちらも空気が乾燥した春に重複して発症しやすい。併発すると、目に入った花粉を涙で十分に洗い流せず、花粉は目の中に長時間とどまって花粉症の症状を強める。さらに、アレルギー性結膜炎で結膜に炎症が起こると涙に含まれる成分が変化したり、涙が目の表面にとどまらなくなりドライアイも悪化させるといった悪循環を招くのだ。
「実際、ドライアイと花粉症によるアレルギー性結膜炎は、コンタクトレンズの装着中断の原因の大部分を占め、どちらもQOLを低下させる要因になるのです」