臨床症状は多彩です。軽度の下痢症から偽膜性腸炎、腸閉塞、さらには、重症化して中毒性巨大結腸症、消化管穿孔(せんこう)などを起こし、ショックや死に至るケースもあります。
ディフィシル菌による下痢症や腸炎の治療では、まず誘因となった抗菌薬の投与を中止し、改善が認められない場合や症状が重篤な場合は、メトロニダゾールやバンコマイシンといった抗菌薬の投与が行われます。バンコマイシンは苦く服用しづらいという患者さんも多いことから、バンコマイシンを単シロップなどで溶解して飲みやすくする処置もよく行います。
ディフィシル菌がやっかいなのは、再発を繰り返しやすいところです。また、乾燥や熱に強く、環境中で長時間生息すると同時に、多くの消毒薬(アルコールも含む)に抵抗性を持っています。そのため、病院や介護施設などにおいて、発症患者から伝播した集団発生(院内感染)も多く報告されています。
感染症別 正しいクスリの使い方