教えて放射線治療 ドクター黒﨑に聞く

放射線治療の「治療線量」はどのようにして決まるのか?

いまは「寡分割照射」も(C)iStock

 近年は患者さん用のガイドラインが書店で売られるようになり、簡単に医療情報が手に入るようになっています。英語が得意な人は「PubMed」と呼ばれる論文検索エンジンを使えば、インターネットを介して世界中の最新論文を簡単に手にできます。なかには、PubMedでなく「Google Scholar」という検索エンジンを使う人もいらっしゃるでしょう。

 私が医者になったころは、インターネットはスタンダードではなく、大学でも何枚ものCD-ROMを使って検索していました。当時と比べれば医学の最新情報へのアプローチははるかに手軽になりました。

 さて、患者さん用のガイドラインなどには「放射線治療を受けるときには何回です」といった説明があります。その回数はどう決まるのでしょうか? もちろんガイドラインに書かれた通り、と言われればその通りになりますが、おおよその原則があります。

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黒﨑弘正

黒﨑弘正

江戸川病院放射線科部長。1995年、群馬大学医学部卒。医学博士。日本専門医機構認定放射線専門医、日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医。JCHO東京新宿メディカルセンターなどの勤務を経て2021年9月から現職。

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