高齢者は「餅の窒息死亡事故」に注意! 男性は女性の2.6倍多い

お正月は餅を食べる機会が増える(C)iStock

 餅の窒息死亡事故を防ぐためには、餅を食べないことが一番の策。しかし、毎年楽しみにしている人もいるため、まったく食べさせないのは難しい。

「高齢者が餅を食べるときは、必ず人がついておくこと。餅は噛んで飲み込みやすいようにあらかじめ1センチ以下に切っておくこと、餅を口に入れる前に汁物やお茶でのどを潤しておくこと、ゆっくりよくかんで飲むことなどを心がけることです」

■餅による「正月便秘」にも注意

 もうひとつ忘れてならないのは、高齢者は喉だけでなく腸内で餅が固まり、便秘を起こすケースが少なくないことだ。

「餅を食べて1日以内にお腹が膨らみ、強い腹痛に襲われるなどの症状が出る場合が多く、病院へ緊急搬送されるケースも少なくありません。高齢者は内臓も老化で衰えていて食道は収縮力が低下し、胃も小腸に内容物を送り出すスピードが落ちて時間がかかる。お餅が温かく変形しやすい状況では胃の出口を通過するものの、小腸内で温度が低くなると腸管壁にくっついて固くなることで腸閉塞が起こるのです」

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