長引くまぶたのピクピクは「顔面痙攣」の危険あり…生活に支障が出るケースも

長引くまぶたのピクピクは危険

 関東脳神経外科病院で行われているのが「神経血管減圧術」だ。耳の後ろを5センチほど切開し、頭蓋骨を500円玉サイズに丸く削り抜く。そこから、手術用顕微鏡を用いて頭蓋骨とその下にある小脳の隙間を広げ、顔面神経を圧迫している血管を剥離して移動させ、固定して減圧させる方法だ。手術は全身麻酔下で行われ、所要時間は1時間半程度だという。

「当院では年間約20件の顔面痙攣の手術を行っていて、9割以上の方は痙攣の症状が完全に消失しています。しかし、顔面神経と聴神経は並走しているので、万が一、手術時に神経に負担がかかったり傷つけると術後に聴覚障害を引き起こすリスクがある。聴神経は非常に弱い神経であるため、手術を行う際は細心の注意を払う必要があります」

 前出の40代後半の男性は、当初は服薬治療を受けていたが、十分な効果を得られず手術を決意。神経血管減圧術を受けた翌日には顔面痙攣は完全に消失し、7年間続いた症状から解放された。術後のMRIでも神経の減圧が確認され、聴力も術前と同様に障害はなく、手術から1年経った現在も再発することなく過ごしている。

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