簡便・負担少・短時間…AI&デバイスを使った新たな認知症診断

早く発見し対策を講じれば進行を遅らせることができる(C)日刊ゲンダイ

 前述したアミロイドβの沈着を調べる髄液検査、アミロイドPETと比較すると、はるかに簡便、低侵襲、経済的だ。

 血液検査でアルツハイマー病を調べられないか、という研究も行われている。

「アルツハイマー病の病態に関与しているとみられる4つのペプチド(血中のタンパク質断片)がわかっています。血液検査で血液中のペプチドを網羅的に解析し、アルツハイマー病かどうかを診断する」(山下准教授)

 臨床現場での実施が決まっているのは、現時点では「モニターを見るだけで認知症かどうかを診断できる認知症検査システムのアプリ」だけだが、そう遠くない将来、他の検査法も活躍するようになるに違いない。

 結果、認知症コントロールが可能になっていくことが期待できる。

▼抗体薬とは

 抗体薬とは抗体を利用した薬で、細胞表面の目印となる抗原をピンポイントで狙い撃ちする。アルツハイマー病ではアミロイドβを攻撃し、除去する。レカネマブの他にも、アルツハイマー病に対する抗体薬の開発が進められている。

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