アミロイドβの次はタウタンパク質を除去する薬の開発【アルツハイマー病治療最前線】

岩坪威東大教授(C)日刊ゲンダイ

 先週からお届けしているアルツハイマー病治療の最前線。日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分野の岩坪威教授に話を聞いた。

【8月21日に承認が了承された「レカネマブ」はどんな薬?】

 アルツハイマーの原因物質アミロイドβを除去し病気の進行を抑制する薬。同様の薬にはアデュカヌマブ、ドナネマブなどがあり治験が行われているが、日本で承認されたのはレカネマブが初。早ければ年内にも治療に使われる見通しだ。

「レカネマブの特徴は、より毒性が高いプロトフィブリルという状態のアミロイドβを除去する作用がある点です」

【対象は?】

 作用機序からアミロイドβが蓄積しているアルツハイマー病患者が対象。

「さらにアルツハイマー病でも、MCI(軽度認知障害)か、軽症の認知症症状の患者さん、つまり早期アルツハイマー病に限られます」

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