老親・家族 在宅での看取り方

誤嚥のリスクが多少あっても好きなものを食べさせてあげたい

好きなものを食べられると気持ちは前向きになる(写真はイメージ)/(C)iStock

「おかずはいろいろな種類があるので、いったんペースト食で様子を見ましょう」(私)

 この患者さんはイレウスと誤嚥性肺炎により、緊急搬送と入退院を繰り返している70歳代の女性の方。

 息子さんから「母は食べることが大好き。好きなものを食べるだけで気分も明るくなるから、なるべく好きなものを食べさせてあげたい。今後の食事をどうしたらよいか」といった相談をいただきました。在宅医療では基本的に病状に差し障りがない限り、患者さんの食事に関してなんら制限はありません。ですがこの患者さんのように術後で腸の動きが弱まっていると、腸に負担をかけない食事が重要になるのです。とはいえ、この患者さんの場合、ご本人もリスクを承知で、好きなものを食べていつも通り暮らしたいという願望をお持ちでした。

「もし、このおかずなら大丈夫というものがあれば教えてほしいです」(息子さん)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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