老親・家族 在宅での看取り方

大好きな炊きたての白いご飯を少しでもいいから食べたい

写真はイメージ

 最近いらっしゃった患者さんは、奥さまと2人暮らしの85歳の男性。骨髄異形成症候群を患っていらっしゃいます。この病気は、血液細胞のもとになる造血幹細胞に異常が起き、正常な血液細胞がつくられなくなるというもの。

 貧血と血小板減少が主な症状で、最近まで通院し輸血を行っていたのですが、通院がだんだん難しくなってきたとのこと。通っていた病院からの紹介で、輸血が可能である私たち診療所で在宅医療を開始する運びとなったのでした。

 なおご本人には知らされてはいませんが、主治医から余命は3カ月程度とご家族に告知されていました。

 この患者さんの場合、私たちの在宅医療を導入する前、通院の段階で、すでに介護ヘルパーや訪問歯科医、訪問看護に訪問薬局など、いわゆる多職種連携の中で、介護ベッドをはじめさまざまな福祉用具をそろえており、環境整備は十分に整えられていました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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