日本版「足病医」が足のトラブル解決

糖尿病患者はどんな靴を履くのがいいのでしょうか?

素足で履かないほうが良い(C)iStock

 ケガや感染を防ぐためにも、靴下は必ずはき、なるべく厚手のものを選び、毎日取り換えてください。また、つま先やかかとに縫い目がある一般的な靴下をはくと、皮膚と擦れて簡単に傷ができます。縫い目がないものを選ぶか、縫い目があっても裏返してはくようにしてください。縫い目が擦れづらくなります。

 ほかにも爪の形状にも注意が必要です。爪の先端がアーチ状だと巻き爪や陥入爪になりやすく、そこから傷ができて感染が起こりやすい。正面から見た際に爪の形が四角形に見えるスクエア状に切り、深爪にならないようつま先の先端は1~2ミリ程度残してください。

 ただ、視力が悪かったり体が硬い方がよく見えない状態で無理に爪切りを行うと、誤って皮膚を切って傷ができ、そこから感染を起こします。足の疾患センターでは患者さんの足の状態だけでなく、まず「体が硬いか」「視力が悪くないか」を確認し、塗り薬ではなく飲み薬に替えたり、提携しているフットケアサロンを紹介し、そちらで爪切りなどの処置を受けてもらっています。

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田中里佳

田中里佳

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

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