教えて放射線治療 ドクター黒﨑に聞く

がんの「オリゴ転移」では放射線治療を“最期の手段”にしない

(提供写真)

 私は、抗がん剤治療を受けて順調に効いている場合、どこかで放射線治療を加えるべきだと思っています。しかし、残念ながらいまだに「放射線治療は最後の手段でとっておくべきだ」という考え方のドクターがかなりいることは確かです。つい先日も、このタイミングで放射線治療行うべきだとアドバイスした患者さんが主治医のところに戻って相談すると、「放射線治療はあくまで最後の手段であり、取っておくべきだ」と反対された例を経験しました。

 抗がん剤で順調にがんが縮小していく際に「どこかで放射線治療のチャンスがあるかもしれない」という目で患者さんを見ているドクターが優れたがん治療医であると、私は思っています。

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黒﨑弘正

黒﨑弘正

江戸川病院放射線科部長。1995年、群馬大学医学部卒。医学博士。日本専門医機構認定放射線専門医、日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医。JCHO東京新宿メディカルセンターなどの勤務を経て2021年9月から現職。

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