アトピー性皮膚炎の新薬はこれまでと全然違う…従来薬が効かなかった患者も効果を実感

「アトピー性皮膚炎」の治療薬はめまぐるしい進歩を遂げている

 近年めまぐるしい進歩を遂げているのが、「アトピー性皮膚炎の治療薬」だ。従来薬とは作用機序の違う薬が2018年度に日本で初めて登場し、それ以降、新薬が続々発売。これまでなかなか良くならなかった人も、著しい症状改善が見られている。アトピー性皮膚炎の患者を多数診ている「巣鴨千石皮ふ科」(東京都豊島区)の小西真絢院長に話を聞いた。

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 1週間でかゆみが引き、2週間で「前と全然違う」と実感し、1~2カ月目には汗をかいてもしみなくなった──。18年登場の新薬「デュピクセント(デュピルマブ)」を小西院長が初めて投与した患者は症状が着実に改善し、「他の方も自分みたいに幸せになってほしい」と感想を漏らしたという。

 一方、製薬会社「サノフィ」が実施した「アトピー性皮膚炎の治療実態調査」では、薬の進歩が患者に浸透していないことが見て取れる。それによると、中等症以上の患者の69%が「アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法がある」と知らず、71.2%がアトピー性皮膚炎を「症状が繰り返す病気(良い状態をキープできない)」と考えていた。

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