科学が証明!ストレス解消法

「誰かに教える」という気持ちを持って学ぶと記憶力が向上する

後で人に教えるという意識を持つと…

 実験では、56人の大学生を、次の3つのグループに分けました。

 ①人に教えることを前提にしたグループ②後でテストを受けることを前提にしたグループ③特に何も前提としないグループ。その上で、ある戦争映画における描写と史実に関する1541語からなる文章を読ませ、関係のないことをしばらくしてもらった後に、学んだ内容についての自由記述および、内容に関する短答式のテストを実施しました。

 その結果、自由記述と短答式、双方において①のグループの成績が良くなったといいます。教えることは、自分の持つ知識や技術を、学ぶ側(学生や部下など)に一方的に伝える作業に見えるかもしれませんが、学ぶことと教えることは表裏一体です。

 私は、学生時代の塾講師のアルバイトを含めると30年以上も教える仕事に携わっていますが、「教える=学ぶ」だと常に痛感しています。

2 / 4 ページ

堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

関連記事