科学が証明!ストレス解消法

「誰かに教える」という気持ちを持って学ぶと記憶力が向上する

後で人に教えるという意識を持つと…

 教えるためには、内容をしっかりと理解する必要がありますよね。また、教える行為そのものに、頭の中をいったん整理して、自らの理解を深める効果があると、私自身感じています。ネストイコらの実験が面白いのは、勉強するときに「後で誰かに教える」と思っているだけで効果があるという点でしょう。

 みなさんも思い当たる節があるはずです。誰かに大事な伝言を伝えてくれと頼まれたとき、その内容は他の記憶よりちゃんと覚えているはずです。それは、あなたに正確に伝えたいという気持ちがあるからこそ、頭の中にインプットされやすくなり、理解につながっているから。そう考えると、誰かに教えると意識しながら学ぶというのは、たしかに物事をより咀嚼(そしゃく)して定着させられそうです。

 教えるという意識を持てば、緊張感や集中力、注意深さを持って、学んだり深掘りしたりできます。ただし、その意識を持っているだけだと、脳が慣れてきて、「これはウソだな」と思ってしまうかもしれません。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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