感染症別 正しいクスリの使い方

【細菌性髄膜炎】ステロイドの使用が推奨されている数少ない感染症

細菌性髄膜炎はすべての年齢層で起こりえる感染症

 細菌性髄膜炎は新生児から高齢者まで、すべての年齢層で起こり得る感染症です。原因菌もさまざまで、新生児ではB群溶連菌や大腸菌が多く、乳幼児以降では肺炎球菌やインフルエンザ菌などが原因菌として多く報告されています。

 細菌性髄膜炎が疑われる場合、血液検査や髄液検査、画像診断などが行われますが、緊急性の高い疾患であることから検査結果を待たずに治療が開始されるケースも多くあります。一刻も早いステロイドの使用と適切な抗菌薬の投与が大切なのです。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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