クスリ社会を正しく暮らす

能登半島地震では現地に派遣される医療チームが大幅に増えていた

避難所で暖を取る被災者たち(C)共同通信社

 能登半島地震の発生から3カ月が経ちますが、今も多くの方が避難所に身を寄せて生活されています。その被災地には、地震発生直後から多くの医療従事者が支援活動のために派遣されています。私も2月9~13日の5日間と、2月17~21日の5日間、現地に入りました。今後のためにも、その活動を通して感じた課題についていくつかお話しします。

 私は、2011年に発生した東日本大震災の際も支援のため現地入りしたのですが、今回は当時と比較すると多くの点が異なっていました。まず驚いたのは災害時に派遣される医療チームが増えていたうえ、役割が細分化されていたことです。東日本大震災の頃はDMAT(災害派遣医療チーム)とJMAT(日本医師会災害医療チーム)、赤十字、自衛隊くらいでしたが、今回はそれらに加え、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、DICT(災害時感染制御支援チーム)、JRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)、DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)などのチームが現地で活動しているのを見かけました。

1 / 3 ページ

荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

関連記事